僕の置き場所。

誤字脱字の激しい小説擬です。

2022-01-01から1年間の記事一覧

大丈夫の末路

夏の日差しが、良く研いだ刃物の様に地肌を焼く。 空気を吸えば吸う程、肺が内側から溶かされると感じる程に暑い。 どうしようもなく暑い。 溶岩の様なアスファルトが、夏特有の切れ味の良い白い光を乱反射する。 朦朧とする意識は、だんだんと眠気を帯びて…

僕の話を聞いて、(短編)

懇願する、僕はとても醜く見えただろう。 夏が緑も土も空気も濃くして行く。そして、ニードルが皮膚を抜ける様な寡黙で白い日差しの中、死臭が僕の背中にべったりとはりついた。 新宿2丁目の小さなバーで、僕と言う人間は辛うじて存在している。 どうもこう…

無名の鬼②

(書き途中です。しかし、置いておく。) 安っぽい白い繊維で増産された、擦り切れた靴下の持ち主が丁寧な動作で、正座のまま深く深くお辞儀をする。深紅の絨毯を跨ぎ、まるで増産されたかの様に並ぶ、同じく御丁寧な動作でしっかりと畳まれた足。違いは靴下…

無名の鬼(仮)①

ー…あなたが、鬼だったら良かった。 雨音が、耳元で冷たく響いた。しかし、空気は夏背負った、季節が荒々しさを秘め、統べている。雨季の退屈で気怠い雨が頬伝う。 無論、私は室内で雨が躰を濡らす事などは無く、スプリングの効いた、シングルより少し狭いベ…