僕の置き場所。

誤字脱字の激しい小説擬です。

無名の鬼②

(書き途中です。しかし、置いておく。)

安っぽい白い繊維で増産された、擦り切れた靴下の持ち主が丁寧な動作で、正座のまま深く深くお辞儀をする。深紅の絨毯を跨ぎ、まるで増産されたかの様に並ぶ、同じく御丁寧な動作でしっかりと畳まれた足。違いは靴下の擦り切れ方と薄汚れ方位で、皆んな前を見つめ時には微笑み、至極真っ当に声を張り上げここでは何にも変え難いたっといことだまを吐き出す。

思い出は、映像から音に移りその、「尊い」何かは耳に激しくぶつかり言葉ではなく、ただの鈍になって私を殴って終わる。すると、何処からきたのか分からない、冷たく乾燥した指が頬を叩いた。…これが、非現実であろうとそれは只管に傷みを残す。そして、その傷みに有難さを感じる私を、私は、渇いた口でメンソールの煙草をふかしながらお気に入りの椅子で小さな子供の様に足を抱え込みながら何度も観たビデオテープを繰り返す様に。テープは、また映像に戻り、3:4の規格で鮮明に画を脳に投影する。正しく、投げ込む様に、

 


何に必死なの?

無論返答は無い。その私は、煙を掴むそれと同じ位に意味の無い、されど、愛されなければ死んでしまうと本気で縋っているのだ。場面は一転して煩雑なリビングへ

 


酒も煙草を趣味では無いただ、少しでも害するなら、命と言うものを削りたいだけで躰に見合わない物を嗜んでいる。笑い声が聞こえた。自分から発せられたとは気付くまでに、いく秒間続いた。感情に喰われた心の為に、雪が降った日を想像する。この部屋に、不鮮明で冷たく柔らかい雪が降る。空に何処へも行けずただ空を見上げる自分に声を掛け、優しく優しく踏みつけ心に高らかに引き摺り出しては結晶をまぶす。次第にきらきらと光が赤黒く転じて行く、弟の臍の緒を切った時の様に責任だけが私を煮詰め刃が滑る様に椅子から落ちた。いつ、ベッドから移動したのだろうか、口の端が塩っぱい。やはり、まだ心はここに有る様だ。

強かに打った掌を、そのまま落ちた煙草の灰の上へのと重ねる。灰の乾燥したの中にある火種が押し返す様に存在を誇示するが、なにも分からないまま

ベッドに知らないはずの背中が有る、ベッド隙間から踵が見えた。とうとう鬼が来た。